「育児休業」と聞くと女性が取るものというイメージはありませんか? もちろん、育児休業は女性だけのものではなく、当然、男性も取得することができます。しかしながら、男性の育児休業の取得率は、いまだ2018年で7.48%と低い水準です。厚生労働省では、男性の育児休業取得率を上げるため、実際に5日以上(大企業は14日以上)の育児休業を取得する利用者が出た場合、事業主へ57万円(大企業は28.5万円)の助成金を支給する制度を設けています。それでは、どのようにすれば助成金が支給されるのか見てみましょう。 

1.助成金を受給できる事業主

受給資格がある事業主は、「雇用保険に加入していること」「助成金の審査のための書類の保管、提出をすること」「申請期間内に手続きをすること」などです。従業員を雇っていても、雇用保険に加入していなければ申請をすることができません。また、労働保険料の滞納をしている場合も確認が必要です。

 

2.助成金の支給額

中小企業の場合、1人目の支給額目安は57万円です。2人目以降は、育児休業の取得日数により、14.25万円から最大33.25万円まで支給されます。大企業は、1人目が28.5万円で、2人目以降は中小企業と同様に育児休業の取得日数により14.25万円から最大33.25万円まで支給されます。

また、一定の生産性要件を満たせば助成金が加算されることもあります。ただ、この助成金は企業単位で支給されるので、事業所単位ではないことに注意が必要です。


3.申請までの流れ

 ①就業規則に育児休業についての規定を記載しましょう

就業規則は、10人未満の事業所には作成義務がありませんが、助成金を受給するためには 必要になりますので、まだ就業規則がない場合はこの機会に作成するとよいでしょう。

 ②一般事業主行動計画を作って届出をしましょう

これは、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るために必要です。その環境づくりをしていくための計画書を作って労働局に提出します。書式や参考モデルは厚生労働省のホームページからダウンロードできます。

 ③男性が育児休業を取りやすい職場の雰囲気づくりをします

具体的には、以下のような取り組みをするとよいでしょう。

・男性従業員を対象に、「育児休業の制度を利用しましょう」といった内容のチラシなどを配布して  周知する

・子どもが生まれた男性従業員に対し、管理職が育児休業を取るように勧める

 ④男性従業員に育児休業を取得してもらいます

子どもが生まれて8週間以内に、連続して5日以上(大企業は14日以上)の育児休業を取ってもらいます。ただし、育児休業期間中に出勤した場合は対象外となりますので注意しましょう。

 ⑤支給申請をします

事業所(本社)を管轄する労働局へ申請書を提出します。申請期限は、育児休業を開始して5日を経過する日の翌日から2ヶ月以内です。大企業の場合は、「5日」の部分を「14日」と読み替えます。注意が必要なのは、育児休業が終了してから2ヶ月以内ではない、という点です。育児休業の取得期間によっては、育児休業中に申請期限が来てしまう場合がありますので気をつけましょう。

 ⑥審査を経て支給決定がなされます

 

申請書を提出すると、労働局で審査が始まります。審査にかかる期間は、都道府県により、また時期によって前後しますが、34ヶ月はかかると思った方がよいでしょう。繁忙期には半年以上かかることもありますので、申請時に問い合わせることをお勧めします。審査中、労働局から書類の提出を求められたり、事情聴取をされたりすることがあります。その際は、できるだけ早く対応するようにしましょう。書類提出が遅れると、その分、審査時間が延びますので、受給できるタイミングもずれ込んでしまいます。支給決定がなされたら、指定の口座に振り込まれるという流れになります。